朝9時過ぎ。
洗濯物を干そうと外へ出た私は、思わず二度見した。
我が家の駐車場の真ん前に、見覚えのない黒いワゴン車が停まっていた。
今日は隣の家で外構工事があるらしく、作業員が何人か資材を運んでいる。
最初は、
「すぐ動かすのかな」
と思っていた。
ところが10分経っても動かない。
車は駐車場の出入口をかなり塞いでいて、このままでは私の車を出すのが難しい。
そこで私は作業員の男性に声をかけた。
「すみません。ここ、うちの駐車場なんですけど……このまま停めて作業するんですか?」
すると男性は悪びれる様子もなく、
「はい、そうですよ」
とニヤニヤ。
さらに信じられない言葉が続いた。
「今日もう1台来るんで」
私は一瞬、聞き間違えたのかと思った。
「え?もう1台もここに停めるんですか?」
「まあ、その予定ですね」
まるで最初から当然のような口ぶりだった。
私はなるべく冷静に、
「事前に一言も聞いていないんですが」
と伝えた。
すると男性は笑いながら、
「車出す用事があるなら、声かけてもらえれば動かしますよ」
と言った。
その言葉に、さすがにカチンときた。
問題はそこじゃない。
私が外出するたびに、知らない業者を探して、
「すみません、車を出したいので移動してください」
とお願いしなければならないのか。
しかも、ここは業者の駐車場ではない。
「先に事情を話して、“作業中だけ停めてもいいですか”と聞くのが普通じゃないですか?」
そう言うと、男性は肩をすくめた。
「工事なんだから仕方ないでしょ」
その瞬間、私は言い争うのをやめた。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください