買い物に出ようと駐車場へ向かった瞬間、私はその場に立ち尽くした。
自宅に停めていた車の後部ガラスが、跡形もなく割れていたのだ。
細かな破片は荷室や後部座席にまで飛び散り、ワイパーの上には大きなガラス片が残っている。
幸い、車内には誰も乗っていなかった。
もし子どもを乗せる直前だったらと思うと、背筋が寒くなった。
そのとき、隣の月極駐車場から草刈り機の音が聞こえてきた。
見ると、管理会社から依頼された作業員たちが、草刈りをしている。
車との距離は数メートルしかない。
防護ネットも立てず、石が飛びそうな場所で機械を動かしていた。
私は責任者らしき男性に声をかけた。
「草刈り中に石が飛んだ可能性はありませんか。うちの車のガラスが割れています」
ところが男性は、壊れた車を一度見ただけで首を横に振った。
「そちら側は作業していません。うちではないと思います」
その言い方は、確認したというより、最初から責任を否定しているように聞こえた。
私は車にもガラスにも触れず、割れた位置、飛び散った破片、作業員と草刈り機をスマートフォンで撮影した。
そして警察へ連絡した。
警察官が到着すると、作業員たちの態度が急に変わった。
警察官が周囲を確認すると、車のそばには刈られたばかりの草と小石が散っていた。さらに近所の防犯カメラには、草刈り機を動かした直後、作業員が大きな音に気づいて私の車の方を振り返る姿が残っていた。
「さっき、こちら側は作業していないと言いましたよね」
警察官に尋ねられると、責任者は黙り込んだ。
数分後、男性は私に名刺を差し出し、小さな声で言った。
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