娘が初めての出産を終え、婿と赤ちゃんを連れて我が家へ里帰りしてきた。
「1ヶ月くらいお世話になるね」
そう言われた時、私は素直に嬉しかった。
孫は可愛いし、産後の娘にはできるだけ身体を休めてもらいたい。
だから食事も洗濯も、できることはほとんど私が引き受けた。
ところが、暮らし始めて2週間ほど経った頃から、私は妙なことに気づき始めた。
誰もいない2階から、
ブーン……。
ずっと扇風機の音がする。
階段を見ると、昼間なのに照明が点きっぱなし。
リビングでは誰も見ていないテレビだけが流れている。
「娘、2階の扇風機ついてるよ」
「あ、本当?あとで消す」
1時間後も回っていた。
「階段の電気も消してね」
「はーい」
翌日も点いていた。
婿も悪気はないらしく、テレビをつけたままスマホを見ている。
私は何度か注意したが、
「赤ちゃんがいると色々忘れちゃうんだよね」
娘は笑うだけだった。
確かに育児は大変だ。
だから私も強く言わなかった。
しかし1ヶ月後。
届いた電気料金の明細を見て、思わず二度見した。
先月より約5,000円高い。
「やっぱり……」
夏場だから多少上がるのは覚悟していた。
人数だって2人と赤ちゃんが増えている。
それでも、誰もいない部屋の扇風機が朝から晩まで回り、照明もテレビもつけっぱなしでは、さすがに黙ってはいられない。
夕食の時、私は明細をテーブルに置いた。
「今月、電気代5,000円くらい増えてるよ」
すると娘は軽い調子で、
「3人増えたんだから、そりゃ増えるでしょ」
と言った。
婿も、
「里帰り中くらい仕方ないですよね」
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