「代引き21,780円です。こちらにサインをお願いします」
2026年7月28日、午後7時13分。
玄関先で配達員に告げられた金額を聞き、私は思わず聞き返した。
「2万円? 何の商品ですか?」
荷物は冷凍便。
伝票には「海産物セット」と書かれていた。
送り主は、北海道の水産業者を名乗る人物。
しかし、そんな商品を注文した記憶は一切ない。
家族にも確認したが、誰も知らなかった。
「受け取ってから確認してもらえませんか?」
配達員は困った顔をした。
だが代引きの商品は、一度支払って受け取れば、返金を巡って面倒になる可能性がある。
私はその場で箱を開けず、静かに答えた。
「注文していないので、受け取りを拒否します」
念のため、伝票に記載された金額、送り主、配送番号をスマホで撮影した。
すると数分後、知らない番号から電話がかかってきた。
「せっかく送った高級海産物なのに、なぜ受け取らないんですか?」
中年らしき男性の声だった。
私は注文番号と購入日時を尋ねた。
相手は急に口ごもった。
「ご家族が注文した可能性があります」
「では、誰が、いつ、どの方法で注文したのですか?」
私が聞くと、男性は声を荒らげた。
「もう発送しているんだから、代金くらい払ってください!」
私は言い返さなかった。
通話を録音しながら、もう一度確認した。
「私の氏名と住所を、どこで入手しましたか?」
電話は突然切れた。
その後、送り主名と電話番号を調べると、未注文の商品が代引きで届いたという注意情報が複数見つかった。
私は伝票の写真、着信履歴、録音データを保存。
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