買ってまだ3か月の自転車が、
見るも無残な姿になっていた。
カゴのコーティングは剥げ、
鍵は曲がり、スタンドまで壊れている。
車体には、壁に擦りつけたような白い粉。
私は怒りを抑えながら、
自転車に紙を貼った。
「自転車を引きずらないでください。
壊されて、すでに3回修理しています」
うちの駐輪場には、
決められた置き場所がない。
空いている場所に、
住人が自由に止めるルールだ。
それなのに、
私の自転車だけが毎晩のように移動させられる。
右端に止めても、左端に止めても、
翌朝には必ず壁際へ押し込まれていた。
犯人には心当たりがあった。
毎晩遅い時間に帰宅する、
同じマンションのおばさんだ。
その人は昔から、
駐輪場の奥を自分の指定席のように使っていた。
私の自転車がそこにあると、
車輪を持ち上げることもせず、壁に擦りつけながら引きずる。
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