新居への引っ越しから3日が経っても、荷物の一部がまだ届いていなかった。指定していた配達日から、すでに2日過ぎていた。届いていないのは、引っ越し当日には積みきれず、後日改めて別便で発送してもらった荷物の一部だった。段ボール3箱分で、そのうちの1箱には特に大切なものが入っていた。
運送会社に電話をかけると、システム上は「配達完了」と表示されているという回答だった。
受け取った覚えはないと伝えると、オペレーターは最初、「ご不在時に置き配で対応した可能性があります。玄関先などをもう一度ご確認いただけますか」と、よくある案内を繰り返した。念のため新居の玄関周りやオートロックの宅配ボックスまで確認したが、それらしい荷物はどこにもなかった。再度連絡すると、担当者は少し戸惑いながら「配達時のサイン記録をお送りします」と答えた。
数分後にメールで届いた画像を見て、佳純は言葉を失った。サインの欄に書かれていたのは、まったく見覚えのない筆跡だった。丸みを帯びた、自分とは似ても似つかない字だった。名字の一文字目だけは辛うじて自分の苗字と同じ漢字に見えたが、続く文字はまったくの別物だった。
家族にも画像を見せてみたが、誰の字にも心当たりはなかった。
慌てて配達先の住所を確認してもらうと、番地の数字がひとつだけ違っていた。契約書に書いた新居の番地は「3丁目5番地12号」。しかし配達記録には「3丁目5番地21号」と入力されていた。数字を入れ替えただけの、たった一文字の違いだった。
同じ町内の、少し離れたアパートの一室。
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