母のお腹を見た瞬間、私は息をのんだ。
七十歳の母・和子は認知症を患ってから、弟夫婦の家で暮らしていた。週に三度は様子を見に行き、毎月五万円を食費と介護代として渡していた。
それなのに、母の体は日に日に痩せ、腹部だけが異常なほど膨らんでいった。
「年のせいよ。ガスが溜まってるだけです」
義妹の美穂は、作り笑いを浮かべてそう言った。
弟の健一も腕を組み、「姉さんは黙って金だけ出してくれ」と冷たく言い放った。
だが、母の目だけは違っていた。
私を見るたび、何かに怯えるように震えていたのだ。
不審に思った私は、かかりつけの山本先生を訪ねた。先生はカルテを見ながら眉をひそめた。
「精密検査を勧めましたが、弟さんが断りました。本人が嫌がるから、と」
その言葉で、胸の奥に冷たいものが落ちた。
さらに、母が「水が飲みたい」と訴えた時、美穂は「先生に水分を控えるよう言われています」と遮った。だが山本先生は、そんな指示は一度も出していなかった。
私は悟った。
この家で、母に何かが起きている。
その夜、夫にすべてを話すと、彼は静かに言った。
「証拠を取ろう。お母さんを守るためだ」
翌日、私は掃除を理由に実家へ行き、母の部屋の本棚に小型カメラを隠した。罪悪感で手が震えた。けれど、母の怯えた目を思い出すたび、引き返すことはできなかった。
午前二時過ぎ、スマートフォンに通知が届いた。
映像には、暗い母の部屋に入ってくる健一と美穂の姿が映っていた。
「起きろよ、クソババア」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=rR1xqHu0h2M&t=6s,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]