義母からの電話を切ったあと、私はしばらくその場から動けなかった。
「来月には二世帯のリフォームが完成するから、いつ引っ越して来られそう?」
私は、その話をその瞬間まで一度も聞かされていなかった。
夫のかずとは、帰宅するとすぐに観念したように謝った。けれど謝り方が、もうずれていた。
反対されると思ったから言えなかった。
でも家族なら、最後は分かってくれると思った。
そう言いながら、彼はすでに義実家のリフォームに頭金200万円を入れ、さらに毎月10万円の支払いまで決めていた。
しかも場所は今の家から車で2時間。
私の仕事も、娘たちの学校も習い事も、全部置いていく前提だった。
私は驚いたが、それ以上に冷えたのは、子どもたちの反応だった。
「絶対に嫌」
長女は即答した。
次女も「友達と離れたくない」と泣きそうな顔で続けた。
理由は距離だけではなかった。
義母は会うたびに、娘たちに「男の子だったらよかったのに」と平気で言ってきた。
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