「今すぐ車を使うわけじゃないでしょ?
少しくらい、いいじゃないですか」
朝8時すぎ。
隣家の外構工事に来た黒いワゴン車が、
我が家の駐車場の出入口を
完全にふさいでいた。
しかも作業員は、
悪びれる様子もなく荷物を下ろしている。
「ここ、うちの駐車場なんですが。
このまま作業するんですか?」
私が聞くと、
若い作業員はニヤニヤしながら答えた。
「はい。今日はもう1台来るんで、
そっちもこの辺に停めます」
耳を疑った。
普通なら事情を説明し、
先に許可を取るものだろう。
「車を移動してください」
そう伝えても、
彼らは工具や資材を
我が家の玄関前に置き始めた。
「出かけるなら呼んでくださいよ。
すぐ動かしますから」
まるで私のほうが、
細かいことを言っているような態度だった。
「では、今すぐお願いします」
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