夫は突然、麻痺した義母を連れて家に来た。「母さんの世話を一緒にするか、それともここから出て行くかだ」――その瞬間、私は長年押し殺してきた感情が静かに崩れていくのを感じた。
「じゃあ離婚ね。私は実家に帰るわ」
そう告げた瞬間、夫・工藤浩司の顔から余裕の笑みが消えた。
その日の夕方、私はいつも通り夕食の準備をしていた。結婚して二十五年、夫と義母のために家事をこなし、文句を言われても耐える毎日だった。
午後六時を少し過ぎた頃、玄関の扉が突然開いた。
「ただいま」
聞こえてきた浩司の声は、いつもより早い帰宅だった。
不思議に思い玄関へ向かうと、そこには大きな車と車椅子に乗った義母・工藤幸子の姿があった。
「浩司さん……お義母さん、退院は来週の予定じゃなかったの?」
私が驚いて尋ねると、浩司は靴も脱がずに車椅子を家の中へ押し込んだ。
「病院から急に連絡が来たんだ。ベッドを空けなきゃならないから今日退院してくれって言われた」
その説明が嘘だということはすぐに分かった。
義母は脳梗塞で倒れ、右半身に麻痺が残っていた。病院からは以前から、施設に入れるか、自宅で介護体制を整えるか、家族で話し合うよう何度も言われていた。
しかし浩司は「仕事が忙しい」と言い続け、その問題から逃げていたのだ。
車椅子の上の義母は、かつて私を家政婦のように扱っていた姿とは別人だった。
「この料理、犬でも食べないわね」
そう言って私が作った食事を捨てたこともあった人が、今では自分で顔を拭うことすらできない。
私は複雑な気持ちで義母を見つめた。
しかし次の瞬間、浩司の言葉が私の心を完全に凍らせた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=2KjMKzgcPRU,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]