私の名前は前田近子。四十五歳、在宅ワーカーとして自宅で仕事をしながら、家事もこなしている。夫の道明と再婚して二年。十八歳になる彼の連れ子、あや、そして昔から飼っている愛犬のシロと、四人で暮らしていた。
もっとも、最初からこんな冷え切った家族だったわけではない。私は以前、病気で前の夫を亡くしていた。子どもに恵まれなかったこともあり、静かな家に一人でいる時間は、どうしても寂しかった。
そんな私の心を埋めてくれたのが、ペットショップで売れ残っていたシロだ。ぽつんと隅にいた小さな命を、気づけば私は連れて帰っていた。
その後、料理教室で道明と出会った。彼もまた病気で妻を亡くし、娘に少しでも温かくておいしいものを食べさせたいと通っているのだと聞いたとき、私は胸を打たれた。私と同じように、家族を失った痛みを抱えながら、それでも娘のために前を向こうとしている。その姿に、自然と心が惹かれていった。
やがて道明の娘、あやにも会った。彼女は整った顔立ちで、受け答えもはきはきしていて、第一印象は非常に良かった。十八歳で、大学受験に向けて勉強中だという。私は緊張していたが、あやは笑顔でこう言ってくれたのだ。
「ちかこさんって、本当に優しくていい人だよね。お父さんを幸せにしてくれると思う。結婚、大賛成。新しいお母さんになってほしいな」
その言葉が、どれほど嬉しかったか分からない。私は久しぶりに、家族になる希望を見た。道明からプロポーズされたときも、迷いはなかった。
ただ、結婚生活は華やかなものではなかった。道明は病気の治療費で貯金がほとんどなく、住まいも賃貸マンションだった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=dWGGQuh9qv8,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]