お見合いの席に現れた俺の姿は、誰が見ても場違いだった。
色あせたTシャツ、膝の抜けたジーンズ、わざと汚してほつれた靴。しかも時間には大幅遅刻。
料亭の品のいい空気の中で、俺――高木高正は、まるでその場を荒らしに来た厄介者のように、わざとらしく肩をすくめて笑った。
「すみません、寝坊しちゃって。……で、端的に言います。俺、お金目当てで来ましたw」
当然、空気は凍る。
俺の両親は顔面を引きつらせ、相手の家の人間は絶句していた。
これでいい。
これで、この政略結婚は終わる。
そう思っていたのに――たった一人だけ、まるで面白いものでも見つけたかのように、にっこりと笑った令嬢がいた。
「私、この人に決めました!」
「え?」
思わず、俺の声が裏返る。
相手は広山由美。大企業の社長令嬢で、噂どおりの上品な美女だった。
だが、その表情にはよどみがない。
むしろ、こちらの思惑を見抜いた上で楽しんでいるような、鋭い光すら宿っていた。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=gq_OeB2R2x4,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]