「また、古臭いシステムをいじっているのか」
部長の織田は、俺の背後からモニターをのぞき込み、鼻で笑った。
その瞬間、胸の奥で怒りが煮えたぎる。だが、俺は何も言わずに手元のキーボードへ視線を戻した。言っても無駄だと、もう何度も思い知らされていたからだ。
俺の名前は黒川。
五十歳、システム開発者。
この会社に勤めて三十年になる。若いころから現場に入り、夜通しコードを書き、障害が起きれば誰よりも早く駆けつけてきた。特に、工場の発注と受注を自動で処理するシステムは、全国の工場で使われるほどの大きな仕組みになった。あれを作り上げたのは、間違いなく俺だ。
だが、会社の評価は正反対だった。
俺を本当に評価してくれるのは親友の中谷くらいなものだ。以前、俺が組んだ在庫管理システムが中谷の会社の危機を救ってからというもの、彼は何かあるたびに俺の腕を頼ってくれた。つい先日も新しいシステム開発を相談されたが、今の社内業務が山積みで、残念ながら手が回らないと断ったばかりだった。
一方、社内では俺は「古臭いシステムしか触れない人間」扱いだ。
その空気を意図的につくっているのが、部長の織田だった。役員の息子で、いわゆる縁故入社。能力より家柄で上に立った男だ。しかも今年の春、織田は二十二歳の新卒・島村を連れてきて、社内の給与体系まで強引に変えた。
「これからはAIとクラウドの時代だ。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=SCPCAQv2Hto,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]