母が危篤だと連絡を受けたのは、夜22時を過ぎたころだった。
電話を切った瞬間、頭の中が真っ白になった。
「間に合わなかったらどうしよう」
それしか考えられない。
私は急いで車へ乗り込み、病院へ向かった。
夜も遅く、道路はほとんど空いていた。
だからこそ、速度だけは気をつけようと思っていた。
焦って事故を起こしたら、母のところへ行くことすらできなくなる。
病院まであと少し。
T字路へ差しかかった時だった。
横からパトカーが出てきた。
私は反射的に路肩へ寄せ、先に行かせようとした。
その瞬間、バックミラーに見覚えのある車が映った。
兄嫁ちゃんだった。
同じく母の危篤を聞き、病院へ急いでいたらしい。
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