「介護職なんて、どこへ行っても同じ。給料を上げてほしいなら諦めろ」
5年間働いた施設で、給与の相談をした時に上司から言われた言葉だ。
当時の私は、その言葉を半分信じていた。
介護の仕事は好きだった。
利用者さんから「今日あなたで良かった」と言われれば、それだけで疲れが少し消えた。
でも現実は甘くない。
早番、遅番、夜勤。
人が足りなければ休日出勤。
急な欠勤が出れば、予定をキャンセルして穴を埋める。
責任だけは増えていくのに、基本給はほとんど変わらなかった。
5年目のある日、私は意を決して上司に相談した。
「仕事を続けたい気持ちはあります。でも、この給与では正直きついです」
返ってきたのが、あの一言だった。
「介護なんてどこも同じだよ」
さらに、
「辞めたって、次も変わらない」
そう言われた。
その瞬間、なぜか何も言い返せなかった。
自分の経験には、それほど価値がないのかもしれない。
転職しても結局同じなのかもしれない。
そう思いながら、さらに数カ月働いた。
けれどある夜勤明け、駐車場の車内で給与明細を眺めているうちに急に虚しくなった。
「私、あと5年もこれを続けるの?」
その日の帰宅後、初めて介護職の求人を本気で調べた。
すると驚いた。
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