「半額」の赤いシールを見つけた瞬間、ちょっと得した気分になった。
仕事帰り、近所のスーパーに寄った時のこと。
時刻は閉店前。
惣菜売り場には、値引きシールが貼られた弁当や寿司が並び始めていた。
夕飯を作る気力もなかった私は、
「今日はこれでいいか」
と、パック寿司を手に取った。
そこには大きく、
「半額で税込430.92円」
のシール。
おっ、半額!
そう思ってカゴに入れようとした。
ところが、その下から白い値札が少しだけ見えている。
何気なく赤いシールをめくるようにして数字を確認すると――
「本体価格328円」
「税込354.24円」
……ん?
私はいったん商品を棚に戻した。
もう一度見る。
元の値段、354円。
半額後、430円。
「えっ……値上がりしてない?」
頭の中で何度計算してもおかしい。
半額なら、単純に考えて200円前後になるはず。
なのに値引きシールを貼られた瞬間、約76円高くなっている。
「これは新しいタイプの半額なのか……?」
思わず笑いそうになった。
ただ、もし気づかずレジへ持って行けば、そのまま430円で精算される可能性もある。
私は近くにいた店員さんを呼んだ。
「すみません、これって値段合ってますか?」
店員さんは最初、
「半額の商品ですね」
と普通に答えた。
そこで私は、シールの下の値札を指さした。
「元が328円なんですけど、半額後が399円になってます」
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