「え、これ……直進したい人はどうすればいいの?」
沖縄旅行中、レンタカーを運転していた時のことだった。
初めて走る道で、私は交差点の右側レーンに入った。
路面には「直進」と「右折」、両方の矢印。
だから何の疑問もなく、そのまま直進するつもりで停止線まで進んだ。
ところが前方の信号を見て、一瞬頭が真っ白になった。
メインの信号は赤。
その下には、青い「→」だけが点灯している。
「右折だけ行っていいってこと?」
私は直進したい。
でも後ろの車を見ると、右ウインカーを出している。
その車の後ろにも、さらに数台。
「え、私がここで止まってたら、みんな右折できないじゃん……」
関西ではあまり見慣れない状況だったこともあり、急に焦ってしまった。
後ろからクラクションを鳴らされたわけではない。
それでもバックミラーを見るたび、
「早く行ってくれ」
と言われているような気がした。
結局私は、
「もう右に曲がるしかない!」
と判断。
予定とは違う方向へ右折し、その先でナビを設定し直した。
助手席の友人は笑っていた。
「今の交差点、何が正解だったん?」
「それが分からんから怖いねん!」
旅行から帰った後も妙に気になり、信号のルールを調べてみた。
すると答えは意外とシンプルだった。
赤信号と青い右向き矢印が同時に出ている場合、自動車は矢印の方向、つまり右折には進める。一方、直進は青信号など直進可能な表示になるまで待つのが基本だ。警察庁の案内でも、赤信号時は原則停止し、青い矢印が出ている時は「矢印が指す方向」に進めると説明されている。
つまり、画像のように路面が「直進・右折」の共用レーンなら――
私は直進したかったのだから、その場で止まっていてよかった。
後ろの車が右折したくても、前に直進待ちの車がいれば待つしかない。
後続車のために、予定外の右折をする必要なんてなかったのだ。
「なんやねん!あの時の私!」
思わず1人で笑った。
信号がおかしかったわけではない。
私が「後ろの車を待たせちゃいけない」と勝手に焦っていただけだった。
旅行先の知らない道では、こういう一瞬の判断が本当に怖い。
それ以来、私は知らない交差点では早めに路面表示と信号を確認するようになった。
そして今なら、あの時の自分にこう言いたい。
「直進したいなら、堂々と待ってて大丈夫」
後ろに右ウインカーの車が10台並んでいたとしても。
正解は――
“右へ曲がる”ではなく、“直進できる信号になるまで止まって待つ”だった。