仕事から戻ってきた私は、月極駐車場の入口で思わずブレーキを踏んだ。
私の契約スペースに、見知らぬ白いベンツが堂々と停まっていたからだ。
最初は自分が区画を間違えたのかと思った。けれど地面の番号も、契約書に書かれた番号も同じ。毎月きちんと駐車料金を払っている、間違いなく私の場所だった。
「なんで私が停める場所を探さなきゃいけないの……」
怒りで車から飛び出しそうになったが、私は一度深呼吸した。相手の車に触ったら、こちらが悪者にされるかもしれない。まずは証拠だと思い、車全体、ナンバー、区画番号、自分の契約書をスマホで撮影した。
そのまま管理会社へ電話した。
「契約している月極駐車場に、知らない車が停まっています」
電話口の担当者は最初、「少し待てば戻られるかもしれません」と言った。
私は静かに聞き返した。
「では、その間に私が使うコインパーキング代は、どなたが負担されますか?」
一瞬、電話口が黙った。
「すぐ確認します」
私は近くのコインパーキングに車を停め、領収書も保管した。30分後、管理会社の担当者が現地に来て、ベンツのナンバーを控えた。
契約者一覧を確認しても、その車の登録はない。
「完全に無断駐車ですね」
その言葉を聞いた瞬間、ようやく怒っていい状況なのだと分かった。
管理会社は警告書をワイパーに挟み、必要であれば警察にも相談すると言った。さらに私は、念のため交番にも連絡した。警察官からは「私有地なので基本は管理会社対応ですが、トラブル防止のため記録は残してください」と助言された。
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