「私の契約している駐車場に、知らない車が停まってるんだけど」
仕事で使うために借りている駐車場へ行った瞬間、私は思わず足を止めた。
そこには見覚えのない白い車が、当たり前のように停まっていた。
最初は場所を間違えたのかと思った。
でも何度確認しても、そこは私が契約している区画。
毎月お金を払って、仕事のために確保している場所だった。
「いや、困るんだけど……」
その日は仕事で使う予定があり、時間も迫っていた。
周りを見ても運転手はいない。
管理会社にすぐ連絡しようにも、すぐ動いてくれるとは限らない。
私はまず写真を撮った。
車の位置。
ナンバー。
自分の車が入れない状態。
駐車場全体が分かる角度。
怒りたい気持ちはあったけれど、感情だけで動くとこちらが損をする。
そう思って、証拠だけはしっかり残した。
とはいえ、こちらも仕事がある。
私の車をどこへ停めればいいのか。
少し考えた末、私は無断駐車している車の前に、自分の車を停めた。
「そっちが勝手に停めたんだから、出たいなら待てばいい」
その時は正直、そう思っていた。
だって私は困っていた。
自分の契約場所を使えず、仕事にも支障が出る。
勝手に停めておいて、出たい時だけ「どけてください」はおかしい。
ところがしばらくして、警察から電話が来た。
「車を移動していただけますか」
私は一瞬、耳を疑った。
「え?こちらの契約している駐車場に無断駐車されているんですけど」
警察の方は落ち着いた声で、
「お気持ちは分かります。ただ、車を出られない状態にしてしまうと、別のトラブルになる可能性があります」
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