「え、合計83万6,825円……?」
修理見積書を見た瞬間、私は思わず笑ってしまった。
いや、笑うしかなかった。
車はヤリスハイブリッド。
事故で大きく損傷し、入庫してきた時から「これは簡単には終わらないな」と分かっていた。
部品の確認、発注、入荷待ち。
外装だけでなく細かい部品も多く、作業は思った以上に時間がかかった。
しかも部品代だけで58万2,550円。
そこに工賃が17万8,200円。
最終的な合計は、83万6,825円。
お客様からすれば、もちろん高額な修理だ。
「80万円超えの修理なんて高すぎる」
そう思う人もいるだろう。
でも、現場で1か月半かけて向き合った側からすると、明細を見て少し複雑な気持ちになる。
車を預かってから、まず損傷箇所を確認した。
外から見える傷だけではない。
外装を外してみると、中の部品まで曲がっていたり、交換が必要だったりする。
「ここもか……」
そう言いながら、スタッフと何度も確認した。
部品はすぐに全部そろうわけではない。
メーカーに問い合わせ、納期を確認し、届いたら検品。
ひとつでも違う部品が来れば、作業は止まる。
お客様にはその間、代車を無料で貸した。
もちろん、代車にも維持費がかかる。
保険もある。
清掃もする。
ガソリンの確認もする。
でも、お客様が車なしで困らないようにと思って対応した。
そしてようやく修理作業。
外して、合わせて、直して、確認して。
また外して、微調整して、もう一度確認。
見た目だけきれいになっても意味がない。
走った時に異音が出ないか。
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