「不足料金26円分の切手を貼ってください」
戻ってきた封筒を見た瞬間、私は思わず二度見した。
その封筒には、84円切手を2枚貼っていた。
つまり168円分。
それなのに、返送理由の紙には「料金不足」「不足料金26円」と書かれている。
「え、どういう計算?」
最初は自分の貼り間違いかと思った。
でも封筒を見ても、切手は確かに2枚ある。
しかも、どちらにも消印が押されているように見える。
私はスマホで写真を撮り、念のため封筒もそのままの状態で保管した。
大事な郵便物だった。
相手先に届いているはずの日に、まさか自分の家へ戻ってくるとは思わなかった。
しかも理由が「26円不足」。
私は納得できず、ナビダイヤルに電話した。
事情を説明すると、担当の方はこう言った。
「投函当日に消印を押した担当者へ確認します。折り返しご連絡します」
私は待った。
約15分後、電話が鳴った。
出ると、返ってきた言葉は想像と違った。
「担当者は記憶にないと言っています」
その瞬間、少しだけ胸の奥が熱くなった。
記憶にない。
それは分かる。
毎日たくさんの郵便物を扱っているのだから、一通ずつ覚えていないのは当然かもしれない。
でも、今私の手元には現物がある。
切手もある。
不足料金26円と書かれた紙もある。
「では、どうすればいいんですか?」
そう聞くと、
「局まで持ってきていただくか、そのままの状態で近くのポストに入れてください」
と言われた。
私は思わず言葉を飲み込んだ。
外は雨。
こちらは何も間違えていない可能性が高い。
それなのに、またこちらが動かなければならないのか。
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