「もう限界です。相手するのに疲れました」
そう思ったのは、たった1回の待ち合わせがきっかけだった。
その日は19時集合。
私は19時ちょうどに着けばいいと思い、ほぼ時間通りに待ち合わせ場所へ向かった。
相手からすると、それが気に入らなかったらしい。
会ってすぐ、相手は少し不機嫌そうだった。
でも私は、
「こんばんは、今日はよろしくお願いします」
と普通に挨拶した。
その場では大きな言い争いにはならなかった。
ところが帰宅後。
スマホに長文のメッセージが届いた。
「19時待ち合わせで18時50分に来てるから、遅刻してないのは分かってる」
そこまではよかった。
でも、その後が長かった。
「俺は18時半から待ってた」
「結構雨降ってた」
「傘さしてても普通に濡れた」
「帰ってから喉も痛い」
「今日も若干だるい」
さらに、
「先に待ってたって分かった時点で、早くから待ってたんですね、すみません、くらい言えるかなって」
と続いた。
私は画面を見ながら、だんだん言葉を失っていった。
19時集合なのに、相手が30分前から来ていた。
でも、それは私がお願いしたことではない。
私は遅刻もしていない。
しかも相手自身、
「別に謝ってほしいわけじゃない」
と書いている。
それなのに文章のほとんどは、
「普通ならこうする」
「相手の状況まで気にできるかが大事」
「今度は少し気にしてね」
という内容だった。
私は一度だけ返信した。
「19時集合だったので、待たせたつもりはありませんでした。嫌な思いをさせてしまっていたらすみませんでした」
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