「これ、本当にこのまま走って大丈夫なの?」
雨上がりの道路を走っていた時だった。
前方を走る小型トラックを見て、私は思わずアクセルを緩めた。
荷台には軽自動車が1台。
それだけなら、よくある車両運搬だと思った。
でも、その上にもう1台。
まるで車の上に車を積み重ねたような状態で、2台の軽自動車が縦に載っていた。
「え……2段?」
思わず声が出た。
しかも走行するたび、上の車体が左右にゆっくり揺れているように見える。
道路には小さな段差もある。
トラックがそれを越えるたび、上の車まで一緒にグラッと動く。
私は怖くなって、すぐに車間距離を広げた。
もし何か外れたら。
もし急ブレーキを踏んだら。
もしカーブでバランスを崩したら。
考え始めると、もう真後ろを走る気にはなれなかった。
助手席にいた友人も、
「これってありなの?」
と何度も振り返る。
私も分からない。
積み方に問題があるのか。
きちんと固定されているのか。
見た目だけでは判断できない。
でも、少なくとも後ろを走っている側からすると、かなり怖い。
次の信号で赤になった。
トラックが停車したので、私はさらに距離を取った。
近くで見ると、下の軽自動車は荷台の上。
その車のさらに上に、もう1台が載っている。
「やっぱり見間違いじゃない……」
私は写真を1枚だけ撮った。
万が一、落下物や事故が起きた時に状況を説明できるようにするためだった。
信号が青になる。
トラックは再び走り始めた。
するとまた、上の車が横方向に揺れているように見えた。
私は追い越そうとも、近づこうともしなかった。
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