夏の朝、高速道路には穏やかな時間が流れていた。
2024年8月15日、お盆休みの帰省シーズン。多くの家族が故郷へ向かうため、まだ暑さが厳しくなる前の早朝に車を走らせていた。
栃木県那須塩原市を通る東北自動車道でも、車は一定の速度で北へ向かっていた。渋滞もなく、視界を遮る霧もない。道路はほぼ一直線に伸び、前方まで見渡せる状況だった。
その中に、埼玉県坂戸市に住む42歳の会社員男性が運転する一台の乗用車があった。
車内には9歳の長男と7歳の長女。目的地では親戚が待っていた。お盆の帰省という、ごく普通の日常のひと場面だった。
しかし、その平穏は一台の車によって突然壊された。
本来なら絶対に存在してはいけない方向から、一台の軽ワゴン車が猛スピードで迫ってきたのである。
それは逆走車だった。
## 見通しの良い直線で、なぜ事故は防げなかったのか
事故現場は、決して危険な場所ではなかった。
急なカーブでもない。視界を奪う障害物もない。早朝の光の中で道路ははっきり見えていた。
それでも衝突は起きた。
なぜなのか。
理由の一つは、逆走車が走っていた場所にあった。
逆走していた69歳男性の車は、追い越し車線を走っていた。
高速道路の追い越し車線は、多くの車が最も速度を出す場所である。通常の方向から走る車のドライバーは、前方の車の流れを見ながら運転している。
そこへ、反対方向から同じような速度で車が近づいてくる。
時速90キロで走る車と、時速90キロで迫る逆走車。
互いの速度差は単純計算で約180キロ。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=YjMyfXPIDdY,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]