俺には、ずっと叶えたい夢があった。
それは、
温かい家庭を作ることだった。
子供の頃の俺には、
家庭というものがなかったからだ。
5歳の時、
両親は離婚した。
父親は酒癖が悪く、
機嫌が悪いと俺に手を上げた。
母親は、
そんな父親から逃げた。
でも……
俺を連れて行かなかった。
「お母さん、助けて」
何度心の中で叫んだか分からない。
でも母親は戻ってこなかった。
学校や近所の人が異変に気づいたこともあった。
だけど俺は必死だった。
「お父さんは優しいです」
そう言わなければ、
後で何をされるか分からなかったからだ。
中学生になる頃には、
父親に殴られることは減った。
でも家の中の状況は変わらなかった。
生活費もなく、
食べるものに困る日もあった。
そんな生活が終わったのは、
父親が亡くなった時だった。
その後、
俺を引き取ってくれたのは叔母だった。
最初は怖い人だと思った。
でも違った。
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