出張帰りの新幹線。
私はいつものように指定席へ向かっていました。
その途中、
通路で困っている女性が目に入りました。
「すみません、そこ私の席なんですけど…」
女性の前には、
若い男性が座っていました。
しかし男性は、
「いや、俺の席だけど」
と言って動こうとしません。
女性は切符を見せました。
確かにその席番号が書かれています。
私は状況を確認するため声をかけました。
「すみません、その切符を見せてもらえますか」
女性の切符は間違っていませんでした。
「こちらの女性の席で間違いないと思います」
そう伝えると、男性は露骨に嫌そうな顔をしました。
「俺が間違ってるって言いたいのかよ」
「お互い確認すれば済む話ですよ」
そう言うと、
「面倒くせえな」
と吐き捨て、ようやく席を離れました。
女性は何度もお礼を言ってくれました。
その後、
私たちは偶然隣の席だったこともあり、出張先の話や名古屋のお土産の話をしました。
短い時間でしたが、
とても自然に話せる人でした。
東京に着いた時、
「今日は本当にありがとうございました」
そう笑った女性の姿は、
今でも覚えています。
しかし、
まさか1か月後に再会するとは思っていませんでした。
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