転職したばかりの頃、俺は今の会社に入って本当に良かったと思っていた。
前の会社でも営業をしていたが、新しい職場では分からないことも多い。
だからこそ、年齢や立場に関係なく、教えてくれる人の話を素直に聞くことを大切にしていた。
教育担当の先輩はとても親切で、仕事の細かい部分まで丁寧に教えてくれた。
「営業は近道より、相手との信頼を積み重ねることが大事だ」
その言葉を胸に、俺は少しずつ成果を出していった。
そんな俺と同じ頃に入社した同僚がいた。
仮にテリーと呼ぶ。
最初は普通に話す相手だった。
一緒に食事に行くこともあった。
ただ、仕事を続けるうちに、少しずつ違和感を覚えるようになった。
テリーは学歴へのこだわりが異常に強かった。
「俺の出た大学では」
「そんなやり方、効率悪くない?」
何かあるたびに学歴を基準に人を見る。
年下の先輩や、自分より偏差値が低い大学出身者から教わることを嫌がった。
俺は学歴より、仕事を教えてくれる人への感謝の方が大切だと思っていた。
しかし、テリーにはそれが理解できなかった。
ある時、俺が高卒だと知った。
それまで普通に接していた態度が、明らかに変わった。
「え、お前大学出てないの?」
その瞬間から、俺を見る目が変わった。
それからテリーの嫌がらせが始まった。
部長が怒っていると嘘をついて俺を慌てさせたり、重要な会議変更を伝えなかったり。
仕事に関係することまで使って、俺を困らせようとしてきた。
一度、休暇中にも電話がかかってきた。
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