2019年4月19日、金曜日の昼。東京・豊島区東池袋の交差点で、一台の乗用車が突然、街の日常を壊した。
その日の朝、87歳の男性はいつもと変わらないように見えた。
昼に予約していたフランス料理店へ妻と向かうため、東京都板橋区の自宅マンションを出る準備をしていた。長年、社会の第一線で働き、旧通商産業省の技官を務め、退官後には大手機械メーカーの副社長まで務めた人物だった。
運転歴は50年以上。長い間、大きな事故もなく、本人は自分の運転技術に自信を持っていた。
しかし、その一方で年齢を重ねるにつれ、身体には変化が表れていた。
妻は以前から夫の足元を気にしていた。
「電車かバスで行きませんか?」
そう声をかけたこともあった。
だが、男性の答えは変わらなかった。
「車で行こう」
この日も車を選んだ。
駐車場から車を出す前、男性はいつものように車の状態を確認したという。そして運転席に座ると、まるで自分自身に言い聞かせるように小さくつぶやいた。
「今日も無事故で」
その言葉から14分後、東京の街は大きな悲劇に包まれることになる。
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12時9分、車はマンションを出発した。
車内ではラジオが流れ、助手席の妻は趣味のコーラスや知人の話をしていた。男性も時折、「うん」「うん」と相づちを返していた。
目的地のレストランの予約時間は12時30分。
急ぐ必要はなかった。
男性自身も後の裁判で「時間には余裕があり、急いでいなかった」と話している。
車は川越街道へ入り、池袋方面へ進んだ。
途中、路上駐車を避けるために何度か車線変更を行った。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=3NevCAtjcJ0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]