私は着ていた服やバッグを別々の袋に入れ、できるだけ寝室の物へ触れないようにして友人宅を出た。
午前9時20分、皮膚科の受付で昨夜からの経緯と、腫れに気づいた時刻を説明した。
診察室に入ると、医師は両脚の発疹を確認し、いつからかゆいのか、痛みや発熱はないか、初めて使った化粧品や薬はないかを順番に尋ねた。
私は家族に隠れて彼と会ったことが原因ではないかと不安になり、恥ずかしさをこらえて質問した。
「これ、彼から何か感染した可能性はありますか?」
医師は患部をもう一度確認してから、落ち着いた声で答えた。
「この発疹だけで感染症と判断することはできません。蕁麻疹や接触による反応、虫刺されなど、複数の可能性があります」
ただし、就寝中に突然現れ、露出していた両脚へまとまっていることから、昨夜使った寝具も確認したほうがよいと言われた。
私は友人から届いたマットレスの写真を見せた。
縫い目には黒い点が並び、その近くに平たく茶色い小さな虫が写っていた。
医師は写真だけで断定はできないと前置きしたうえで、トコジラミによる虫刺されの可能性が高いと説明した。
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