朝から私はスマホで、ある情報を探していた。
期間限定で販売されるという「寿牛丼」の情報だ。
「そろそろ公式サイトに出ているかな」
そう思いながら何度も検索していたが、なかなか見つからない。
その時、ふと気になった。
「最近、郵便受けをちゃんと確認していなかったな」
家の玄関横にあるポストを開ける。
チラシを取り出し、奥に手を伸ばした瞬間だった。
指先に何かが引っかかった。
「あれ……?」
普通の郵便物ではない。
少し奥に押し込まれたような封筒。
取り出してみると、そこには見覚えのない会社名が書かれていた。
しかも表には、郵便局からの紙が貼られていた。
「この郵便物等は、料金が不足していますので、受け取れません」
料金不足。
不足金額は25円。
私は一瞬、意味が分からなかった。
「誰がこんなものを送ったんだ?」
封筒には手書きの文字。
宛名を見ると、自分の住所。
でも差出人の名前を見ても、心当たりがない。
まさか請求書?
それとも重要な書類?
最近は詐欺の郵便もあると聞く。
変なものだったら触らない方がいいのでは……。
少し不安になった。
しかし、よく見ると差出人には企業名が書かれていた。
仕事関係?
以前の取引先?
それとも何かの案内?
頭の中で色々な可能性が浮かんだ。
料金不足で戻された郵便物。
もし大事な書類だったら、送り主も困っているはずだ。
私は郵便局に確認することにした。
「この封筒について確認したいのですが……」
事情を説明すると、局員さんも封筒を確認してくれた。
すると意外な事実が分かった。
どうやら差出人側の郵便料金計算ミスで、切手が少し足りなかっただけだった。
怪しいものではなく、普通の案内書類だった。
私はホッとした。
でも、一番驚いたのは別の部分だった。
普段なら何気なく開ける郵便受け。
たった数日確認を忘れただけで、郵便物は奥に入り込み、存在すら気づかなかった。
もしさらに放置していたら、大事な連絡を見逃していたかもしれない。
「グロいものが出てきたと思った」
最初は本当にそう感じた。
でも実際に出てきたのは、恐ろしいものではなく、ただ料金不足で届かなかった1通の封筒だった。
25円の不足。
たった25円。
でも、その小さな見落としが、自分に郵便物を確認する大切さを教えてくれた。
ちなみに、あの日以来。
私は毎日ポストを開けるようになった。
そして牛丼の情報を探す前に、まず郵便受けを見るようになった。