「遺産9000万とこの家は、夫の俺が相続する。遺言なんて認めない。弁護士を雇ってでも争ってやる」
葬儀が終わった直後、義兄・憲一はそう言い放った。
その瞬間だった。
会議室にいた弁護士事務所の部下たちから、クスクスと笑い声が漏れた。
最初は小さな笑いだった。
しかし次の瞬間――
「……ぷっ、あはははは!」
誰かが吹き出し、ついに部下一同が大爆笑。
口を押さえながら肩を震わせ、会議室全体が笑いに包まれた。
「な、何がおかしいんだ!」
憲一は顔を真っ赤にして叫んだ。
私は思わずつられて笑いながら言った。
「だって義兄さん……それ、本気で言ってるんですか?」
この瞬間から、義兄の“勘違い”が少しずつ明らかになっていくことになる。
――私の名前は美咲。
定年退職した元小学校教師だ。
現在は図書館で子どもたちに絵本を読み聞かせるボランティアをしている。
子どもたちの真剣な眼差しを見ると、教師だった頃の充実感がよみがえる。
「おばあちゃん、今日のお話も面白かった!」
そんな声に見送られながら図書館を出ると、ふと姉のことを思い出す。
姉・律子。
私より10歳年上の、弁護士だった。
両親が事故で亡くなったとき、私はまだ5歳。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=NkOxRjMtLFA,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]