「え?今なんて言った?」
弟の結婚式で流れたプロフィールムービーを見た瞬間、会場の一角からクスクスと笑い声が聞こえた。
「中卒?…まあ、東大卒の弟とは差がすごいことね」
そう言って笑ったのは、弟の義母になる女性だった。
その場の空気が一瞬、凍りついたのを覚えている。
だが――その直後。
席を立った弟がゆっくりと義母の前へ歩み寄り、静かに言った。
「姉が誰だか、本当に知らないんですか?」
その一言で、結婚式の空気は一変することになる。
――――――――――
私の名前は冴島日野。33歳。
世間一般の基準で言えば、たぶん「まともじゃない人間」に分類されると思う。
理由は簡単だ。
まず学歴。
私は中卒だ。
高校には進学していない。
とはいえ、勉強が嫌いだったわけではない。むしろ本は好きだった。
図書館に通い、旅先でも本屋を見つければ必ず立ち寄る。
ただ、私の人生は少し普通とは違った。
十代の頃から、私は働いていた。
飲食店、引っ越し、工事現場、イベントスタッフ、倉庫作業。
頼まれれば何でもやるし、面白そうだと思えばすぐ飛びつく。
気が付けば、海外にいることも多かった。
東欧の田舎町で農作業をしたこともあるし、南米で日本企業の通訳のような仕事を手伝ったこともある。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=wGvgplx2Ecw,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]