息子の命日に訪れた納骨堂で、私は十五年ぶりに心臓が止まるような感覚を味わった。
「おばあ様……もしかして、私のお父さんをご存じですか?」
背後から聞こえた細い声に振り向くと、そこには古びた上着を着た少女が立っていた。痩せた肩、すり減った靴、寒さで赤くなった頬。
けれど、その瞳だけは、亡き息子・賢治にあまりにも似ていた。
私は声を失った。
その子は震える手で一枚の古い写真を差し出した。そこには若い賢治が、見知らぬ女性と寄り添い、幸せそうに笑っていた。女性のお腹には、そっと二人の手が重ねられていた。
「母が言っていました。これが、お父さんと最後に撮った写真だって」
少女の名は美咲。十五歳。
賢治が亡くなった時、まだ母親のお腹にいた子だった。
私はその場に膝をついた。納骨堂の冷たい床に崩れ落ち、写真の中の息子に向かって泣いた。
あの日、賢治は私に何かを打ち明けようとしていた。だが私は会社の合併と縁談のことで頭がいっぱいで、「くだらない話なら後にしなさい」と遮った。その数日後、賢治は雨の夜の事故で帰らぬ人となった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=1vMDgCfWVWA,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]