「一か月にすると、七万円くらいかねえ」
八十歳を目前にしたその女性は、そう言って明るく笑った。
都営住宅の近くのベンチに腰を下ろし、少し大きな声で話す姿は、とても年金だけで暮らす老後の厳しさを抱えている人には見えなかった。
けれど、その笑顔の奥には、母子家庭として三人の娘を育て、働き、迷い、倒れ、それでも一人で生きてきた長い時間が刻まれていた。
若い頃の仕事は、主に飲食店の洗い場だった。
「頭を使う仕事じゃないよ」と本人は笑うが、毎日立ちっぱなしで皿を洗い、厨房を支え続ける仕事は決して楽ではない。
最初は国民年金だったが、後に勤め先の会社が厚生年金に加入させてくれた。
「今思えば、本当にありがたいよ。
国民年金だけだったら、もっと大変だったもの」
その言葉には、老後になって初めて身に染みる現実の重さがあった。
現在の年金は月にして約七万円。
住まいは持ち家ではなく、長年暮らす都営住宅だ。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=NDNiQQ5glhk,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]