「じゃあな、美咲。ここで少し涼んでろよ」
夫・浩司はそう言うと、私の車椅子を山奥の脇道に残し、SUVに乗り込んだ。
ドアが閉まる音が、冷たい森の中に響く。
夕闇が迫る山道。
人家はなく、聞こえるのは木々のざわめきと遠くのカラスの声だけだった。
浩司の車のテールランプが木々の隙間に消えていく。
普通なら、恐怖で泣き叫んでいたかもしれない。
けれど私は、静かに口角を上げた。
「やっと本性を見せたわね」
私は膝に置いていた手に力を込め、ゆっくりと立ち上がった。
三年間、私を縛りつけていた車椅子が小さくきしむ。
だが、私の足は確かに地面を踏みしめていた。
浩司は知らなかった。
私が一年前から密かにリハビリを続け、すでに歩けるまでに回復していたことを。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Gt7UUUaYjWk,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]