結婚を強行した私たち夫婦は、義両親といまだに折り合いが悪い。
夫の実家は、今でこそごく普通の中流家庭だが、昔はそれなりの家柄だったらしい。義母はそれを誇りにしており、高卒で中小企業に勤める私を、最初から嫁として認めようとしなかった。
「あんたなら、もっといいお嬢さんが見つかるでしょう。どうしてこんな人なの」
結婚前、義両親は夫にそう言い続けた。
けれど夫は、静かに、しかしはっきりと言い返した。
「親子の縁を切ってでも、俺はこの人と結婚する」
そうして私たちは、反対を押し切る形で夫婦になった。あれから六年。親戚の集まりで顔を合わせることはあっても、普段こちらから連絡することはない。義母から電話が来ることなど、まずなかった。
だからその日、スマートフォンに義母の名前が表示されたとき、胸の奥が嫌な音を立てた。
「久しぶりね。元気にしていた?」
受話口から聞こえた声は、妙に柔らかかった。
「はい。おかげさまで。お母様からお電話なんて、どうかなさったんですか?」
そう尋ねると、義母はわざとらしく笑った。
「私たち、家族じゃない。用事がなくても連絡くらいするわよ」
一度も聞いたことのない言葉だった。そこから天気の話、近所の話、親戚の話と、どうでもいい世間話が続いた。私は相づちを打ちながらも、義母が本題を切り出す瞬間を待っていた。
そして、やはりそれは来た。
「実はね、少しお金を用立ててほしいの」
義母の声が低くなる。
「娘が看護の専門学校に行きたいと言い出してね。もう三十手前でしょう?今の仕事に将来性がないから、資格を取りたいんですって。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=TC6IJcKZ0To,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]