朝の目覚ましが鳴る前に、高橋桜は目を覚ましていた。
今日は人生を変える大切な日だった。
超一流企業「東都グローバル」の最終面接。
ここに受からなければ、病気の母を支える生活は限界だった。
二年前、母が病気になった。
医療費は増え、桜は大学進学を諦めた。
昼はアルバイト。
夜は専門学校。
睡眠時間は毎日わずか数時間。
それでも弱音は吐かなかった。
「お母さん、今日の面接……絶対に受かってくるから」
ベッドで横になる母の手を握り、桜は笑った。
母は優しく微笑む。
「桜なら大丈夫よ」
「あなたは昔から、誰かを放っておけない子だったもの」
その言葉を胸に、桜はリクルートスーツに袖を通した。
駅へ向かう途中、桜は何度も時計を確認していた。
面接開始は午前10時。
早めに家を出たはずだった。
しかし、駅に着いた瞬間、嫌な文字が目に入った。
「人身事故による電車遅延」
15分の遅れ。
桜の胸が締め付けられる。
「お願い……間に合って」
ようやく電車に乗り、目的駅へ到着した時には、残り時間はわずかだった。
会場までは徒歩10分。
桜は全力で走った。
その時だった。
駅前のベンチから、小さな声が聞こえた。
「……誰か……助けて……」
振り向くと、一人のお婆さんが胸を押さえて座り込んでいた。
顔色は真っ青。
周囲には通勤する人が大勢いた。
しかし、誰も足を止めない。
桜は時計を見る。
面接まであと18分。
ここで助ければ、確実に遅刻する。
一瞬、迷った。
でも次の瞬間、足は自然に動いていた。
「大丈夫ですか?」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=eQXbqRvAwvc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]