「これ、値段を間違えていませんか?」
久しぶりに立ち寄ったリユースショップで、私は一着の子ども用Tシャツを手に取った。
白と黄色のボーダー柄。
サイズは90。
店が付けた販売価格は、税込700円だった。
ところが、その奥には無印良品の古い値札が残っていた。
そこに印刷されていた金額は、税込490円。
つまり、中古品なのに新品時より210円も高い。
しかも、よく見ると首元には薄い汚れまであった。
私は近くの店員に声をかけた。
「元の値札が490円なのに、こちらでは700円になっています。価格設定を確認してもらえますか?」
店員は二枚のタグを見比べた。
しかし、謝るどころか面倒そうに答えた。
「中古品の価格は、こちらで決めていますので」
「気に入らなければ、買わなくても大丈夫ですよ」
その言い方に、近くにいた客がこちらを見た。
私は値下げを要求したわけではない。
ただ、どうして中古品が新品時より高いのか、その理由を聞いただけだった。
そこへ店長らしき男性がやってきた。
事情を聞くと、私の手から服を取り、値札を一瞥した。
「無印の値札は古いものかもしれません」
「今とは相場が違いますから」
「うちは状態や需要を見て値段を決めています」
私は首元の汚れを示した。
「状態を見て700円なら、この汚れも確認済みですか?」
店長は少し笑った。
「そこまで気になるなら、買わなければいいでしょう」
その瞬間、私は言い争うのをやめた。
代わりにスマホを取り出した。
700円と書かれた店の値札。
490円と印刷された無印良品のタグ。
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