「お客様の住民票の除票を取得し、契約住所を新住所へ変更しました」
引っ越して3日目。
郵便受けに入っていたNHKからの通知を読み、私は思わず二度見した。
私は住所変更を届けていない。
住民票の取得に同意した覚えもない。
それどころか、引っ越す前にテレビを処分し、解約書類まで提出していた。
なのに通知には、
「公共機関への調査により転居を確認した」
と書かれている。
なぜ私の新住所を知っているのか。
なぜ解約済みの契約が、勝手に移されているのか。
背中が冷たくなった。
私はすぐに問い合わせ窓口へ電話した。
担当者は悪びれもせず答えた。
「通常の手続きです」
「住所変更はすでに完了していますので、お客様がすることはありません」
私は取得日、申請者、利用目的、法的根拠を一つずつ尋ねた。
すると、それまで滑らかだった口調が変わった。
「調査方法の詳細は、お答えできません」
さらに、新住所での受信料も請求されるという。
「解約書類は提出しています」
そう伝えても、
「こちらでは契約が継続中になっています」
の一点張りだった。
料金を請求するときは「正当な手続き」。
根拠を聞けば「答えられない」。
さすがに納得できなかった。
翌朝、私は通知書を持って市役所へ向かった。
最近3か月間の住民票関係の交付記録を確認すると、法人による請求が1件残っていた。
しかも申請日は、私が解約書類を提出した後だった。
理由欄に書かれた内容も、NHKの通知とは微妙に違う。
私はその記録を入手し、もう一度NHKへ電話した。
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