「ちょっと、どういうことよ! 私のカードが使えないじゃない!」
離婚届を提出してから、ちょうど一週間後の午後だった。
静かなリビングでハーブティーを飲んでいた私、由衣のスマホに、元義母の和子から電話がかかってきた。
電話の向こうからは、クラシック音楽と食器の触れ合う音が聞こえていた。
どうやら彼女は、また高級ホテルのラウンジで友人たちとアフタヌーンティーを楽しんでいるらしい。
「今すぐカードを使えるようにしなさい! 店員に恥をかかされたじゃないの!」
私はカップを置き、淡々と答えた。
「そのカードは先週、すべて停止しました」
「はあ? 勝手に何してるのよ!」
「勝手ではありません。私名義のカードですから。それに、私はもう浩司さんの妻ではありません。和子さんとも他人ですよ」
電話の向こうで、和子が息をのむ音がした。
けれど次の瞬間、彼女はさらに声を荒げた。
「たかが離婚したくらいで、家族の縁が切れると思ってるの? うちの浩司があんたを養ってやった恩を忘れたの?」
私は思わず小さく笑った。
浩司は結婚中、生活費を月に五万円しか入れなかった。
足りない分は、すべて私が在宅の仕事で補っていた。
それなのに彼は、私の仕事を「パソコンで遊んでいるだけ」と見下し、和子も「怠け者の嫁」と罵り続けた。
二人は知らなかった。
私が二十代で起業し、海外企業を相手にする貿易コンサルティング会社の代表をしていることを。
和子が今使おうとしているブラックカードも、浩司の会社の経費カードなどではない。
私の信用と資産で発行した家族カードだった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=1MvILDQFVBA,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]