息子が入院した日の夜は、本当に余裕がなかった。
慣れない病院。
知らない天井。
聞き慣れない機械の音。
息子はなかなか寝付けず、何度も泣いた。
私はベッドの横で抱っこしながら、
「大丈夫だよ」
「もう少しだからね」
と小さな声で繰り返した。
でも、心の中では別のことも気になっていた。
「隣の人、眠れないよね……」
病室はカーテンで仕切られているだけ。
声はどうしても聞こえる。
息子が悪いわけではない。
それでも、同じように入院している人に迷惑をかけているのではないかと思うと申し訳なかった。
翌日は息子の手術だった。
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