郵便受けに入っていた封筒を開けた瞬間、私は思わず手を止めた。
「通信料金の未払いに関するご案内」
息子名義の回線で、未払い合計金額は47,320円。最初は何かの間違いだと思った。けれど明細を見た途端、血の気が引いた。
8月1日、12.8GB。
8月3日、14.2GB。
8月15日、15.3GB。
8月29日、16.1GB。
理由の欄には、深夜の動画視聴、オンラインゲーム、長時間通話、ライブ配信、漫画アプリの一気読み。中には、親として見過ごせない内容まであった。
私は怒鳴りたい気持ちをこらえ、まず封筒と明細の写真を撮った。そして息子が帰宅するまで、請求書をリビングのテーブルに置いて待った。
夕方、息子はいつものようにイヤホンをつけたまま帰ってきた。
「ただいま」
「ちょっと座って」
私の声で、息子はすぐに何かを察したらしい。目が明細に落ちた瞬間、表情が固まった。
「これ、何?」
「え……知らない」
「知らないのに、8月だけで47,320円?」
息子は黙った。私はさらに明細を指で押さえた。
「深夜3時までオンラインゲーム。動画の連続再生。長時間通話。全部、日付も使用量も残ってる」
息子は小さく舌打ちした。
「別に友達もみんなやってるし」
その一言で、私は静かにスマホを差し出した。そこには、通信会社に問い合わせた通話履歴と、追加料金が発生した仕組みを確認したメモが残っていた。
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