群馬県・相馬ヶ原駐屯地。
七月中旬の灼熱は、もはや“暑さ”という言葉では足りなかった。
アスファルトは溶け、空気は歪み、遠くの景色さえ揺れている。
その地獄のような午後、第三十二普通科連隊の正門前に一台の車両が停まった。
扉が開く。
現れたのは一人の若い女性自衛官だった。
三島陸位・木崎有名(28歳)。
本日付で着任したばかりの新任幹部である。
迷彩服は汗で重く貼りつき、背中には地図のような汗染みが広がっていた。
しかし彼女は一切表情を変えず、まっすぐ前を見て歩く。
周囲の隊員たちが囁く。
「女幹部かよ……」
「こんな細い奴がこの暑さでやっていけるのか?」
その言葉は、すべて彼女の耳に届いていた。
だが、有名は振り返らない。
ここは戦場だ。
感情を見せた者から崩れる。
そう理解していた。
一方その頃。
ガラス越しの中隊長室では、別世界が広がっていた。
氷の浮いたアイスコーヒー。
冷房の効いた室内。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=rLbdzhvSOPY,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]