長年連れ添った夫婦の関係が終わる時、人は必ずしも同じ痛みを感じるとは限らない。ある人にとっては新しい人生の始まりでも、別の人にとっては積み重ねてきた努力や愛情が突然否定される瞬間になる。
美奈子は、夫・浩一と結婚して二十五年を過ごしてきた。若い頃から夫を支え、仕事で疲れて帰ってくる浩一のために家庭を守り続けてきた。そして何より、彼女が人生の大半を捧げてきたのは、浩一の母・節子の介護だった。
節子は数年前に病気で倒れ、それ以来、ほとんど寝たきりの生活を送っていた。食事の準備、薬の管理、体の清拭、夜中の呼び出しまで、すべてを美奈子が担っていた。
「母さんのことを任せられるのは、お前しかいない」
かつて浩一はそう言っていた。
美奈子はその言葉を信じていた。家族だから支えるのは当然だと思い、弱音を吐かずに毎日を過ごしてきた。
しかし、浩一の心はいつの間にか家庭から離れていた。
職場で知り合った女性・由香との関係が始まり、浩一は次第に家に帰る時間が減っていった。最初は仕事だと言っていたが、美奈子にはすぐに分かった。
それでも彼女は問い詰めなかった。
「夫がいつか戻ってきてくれるかもしれない」
「長年一緒に過ごした時間を、簡単に捨てるはずがない」
そう信じていたからだ。
だが、現実は残酷だった。
ある日、浩一は突然離婚届を差し出した。
「俺はもう決めた。由香と一緒になる」
あまりにも冷たい言葉だった。
美奈子が驚いたのは、離婚を切り出されたことだけではなかった。
「じゃあ、お母さんはどうするの?」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=sFYtkE71PFM&t=3s,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]