中学時代、たった1つの読み間違いから、クラス全員のあだ名が大変なことになった。
今思い出しても笑ってしまう話がある。
当時、私たちのクラスには「大村君」という男子がいた。
ある日の国語の授業。
先生が出席を取りながら、苗字を音読みして遊び始めた。
「大村……おおむら……じゃなくて、ダイソンって呼べそうだな」
その一言で、教室が爆笑に包まれた。
なぜか分からないけど、中学生という年齢はこういうくだらないことに全力でハマる。
それ以来、大村君のあだ名は「ダイソン」になった。
掃除機みたいに何でも吸い込む男。
本人も最初は嫌そうな顔をしていたけど、数日後には自分から、
「俺、吸引力あるから」
なんて言うようになっていた。
そして問題はここからだった。
「大村がダイソンなら、梅村はバイソンじゃん」
誰かが言った。
すると、
「若村はジャクソン」
「下村はアンダーソン」
と、次々に名前が変化していった。
気づけば苗字に「村」がつく男子たちは、全員海外スターのようなカッコいい名前を手に入れていた。
ダイソン。
バイソン。
ジャクソン。
アンダーソン。
本人たちもまんざらでもなかった。
「俺、なんか海外ドラマの登場人物みたいじゃん」
そんな空気になっていた。
しかし、そこに1人だけ悲劇の男がいた。
津村君。
みんなが期待の目で見た。
「津村は……」
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