――あの一言を、私は一生忘れないだろう。
「あのショボい工務店、実は儲かってたんですね」
場の空気をまるで読まない軽い口調で、次男の嫁・さくらはそう言い放った。かつて「中卒の祖父は受験に悪影響」と言い切り、私たち家族と一方的に縁を切った張本人である。
私は美香子、五十四歳。東京下町で夫とともに小さな工務店を営んできた。夫は中卒ながら、三十八年現場に立ち続けてきた腕利きの棟梁だ。
長男はその背中を追い、大工として家業を支えている。家族で力を合わせ、地道に積み上げてきた日々は、誇れるものだった。
しかし、その穏やかな日常に影を落としたのが、次男の結婚相手・さくらだった。彼女は高学歴エリート一家の出身で、美しい容姿と自信に満ちた態度を持ち合わせていたが、その言動には常に棘があった。
初対面の時からそうだった。
「お父さまも東工大出身なんですか?」
夫が「中卒だ」と答えた瞬間、彼女は露骨に眉をひそめた。その一瞬で、私は悟った。この人は“学歴”で人を測るのだと。
やがて結婚し、同居生活が始まったものの、さくらは家事も手伝わず、工務店の仕事にも関わろうとしなかった。
さらに妊娠後は生活が乱れ、食事も偏り、態度はますます横柄になっていった。
それでも家族は支え続けた。孫のため、次男のため――そう思って我慢してきたのだ。
だが、ある日突然、彼女は言い放った。
「この子の受験に悪影響なので、縁を切らせてもらいます」
そして本当に、家族三人で家を出ていった。
残された私たちは呆然とするしかなかった。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=AlaWig1foEU,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]