「年金が月8万円しかないなら、これから先私たちを頼らないでください」
退院祝いの席で、長男の嫁・玲子はそう言い放った。
長男の耕司も、私と目を合わせずに続けた。
「俺たちには俺たちの生活があるんだ」
私は湯呑みを置き、2人の顔を見た。
「本当にそれでいいのね」
「もちろんです」
玲子は笑っていた。
私は65歳、3か月前まで食品会社で経理をしていた。
最後の10年は経理部長を務め、それなりの貯蓄と退職金もあった。
夫は2年前に亡くなり、今は1人暮らし。
息子は2人いる。
長男夫婦は駅前の高級マンションに、次男夫婦は堅実に暮らしていた。
私が階段から落ちて骨折した時、最初に病室へ来た玲子は、花も持たず保証人にもなれないと言った。
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