柿川栄子、四十三歳。
三年前、結婚相談所で知り合った夫・柿川正也は、結婚前は誰にでも優しく、穏やかな人だった。だが、結婚生活を重ねるうちに、その温かさは少しずつ失われていった。特にここ一年ほどは、まるで別人のように私へ冷たかった。
「はい、今月分の生活費。五万円な」
給料日になるたび、正也は無造作に封筒を放る。
家賃、光熱費、食費、そして日用品まで、その五万円でやりくりしろというのだ。
「正也さん、もう少し生活費を増やしてくれない? 家賃と光熱費を入れたら、食費なんてほとんど残らないわ」
「文句を言うな。家賃は会社の福利厚生で安いだろう。お前は専業主婦だろ? 家のことを回すのがお前の役目だ」
「でも……」
「嫌なら出て行けよ。専業主婦が俺に逆らうな」
以前の正也は、毎月十万円を入れてくれていたし、少しは私の小遣いも気にしてくれていた。
だが今は違う。
私の気持ちを汲むどころか、専業主婦という立場を見下すようになっていた。
私は元々、訪問介護の仕事をしていた。朝は私、夜は正也というすれ違い生活が続き、家は荒れ、喧嘩も増えた。それを改善したくて、私は仕事を辞めた。けれど、正也はその努力を当たり前としか思っていない。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=C2p7aVtCy-k,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]