私の名前は友美、二十八歳。大学を卒業してから正社員として働いたことはない。代わりに、株式投資とFXで生計を立てている。世間から見れば肩書きのない女かもしれない。けれど、私にとっては、これが自分に合った生き方だった。
そんな私を、両親はいつも「いい加減に働きなさい」と責めた。けれど、私のことを誰より理解してくれる人がいた。
夫の一樹だ。大学時代の同級生で、今は会社員。人付き合いが極端に苦手な私にとって、一樹だけが本音を言える相手だった。彼だけは、私の生き方を否定しなかった。
問題は、義兄の正樹だった。
正樹は大学の准教授で、いかにも“できる人間”を気取っていた。初めて結婚の挨拶に行ったときから、私の仕事をしつこく聞いてきた。夫が何度か「友美は自分の好きなことをしているだけです」と庇ってくれたのに、正樹は最後まで引かなかった。面倒になった私は、適当にこう答えた。
「フリーターです」
その瞬間、正樹は鼻で笑った。
「最初からそう言えばいいのに」
見下したような口調だった。私は胸の奥が冷たくなるのを感じたが、別にこの男と家族になるわけではない。
そう自分に言い聞かせた。一樹は何度も謝ってくれたけれど、私は「あなたがいてくれればそれでいい」と答えた。
それからしばらくして、正樹の結婚が決まった。相手は、彼が勤める大学の理事長の娘。いかにも出世街道を固めたような、華やかな婚約だった。私と一樹も招待されたが、式当日、正樹は相変わらずだった。
「義妹がフリーターだと知られたら恥ずかしいから、名簿には載せていない」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=mCVvsWq5Ok0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]