私の名前は遥。
今から十年前、私は五十九歳の夫・秋人と結婚した。私は四十三歳、秋人とは年の差があったが、出会った当初から会話は弾み、互いに支え合えると信じていた。秋人には前妻との間にできた息子・翔がいた。結婚当時、翔は十二歳。私は三十三歳にして、いきなり小学生の子持ちになったわけだ。
最初は戸惑いも大きかった。翔は思春期真っただ中で、反抗的で、何を言っても素直に返してくれない。家事も仕事も育児も抱えながらの毎日は、決して楽ではなかった。だが、翔が少しでも笑ってくれれば、秋人が「助かる」と言ってくれれば、それだけで頑張れた。私はそういう女だった。
やがて翔は成長し、就職活動の時期を迎えた。景気も世間も厳しく、内定を取るまで本当に大変だった。私は履歴書の相談に乗り、面接で落ち込めば励まし、時には八つ当たりも受け止めた。それでも、彼が一流企業から内定をもらった日、私は心から安堵した。これでやっと肩の荷が下りる。そう思ったのだ。
だが、その夜、秋人は突然言った。
「遥、離婚してほしい」
あまりに唐突で、最初は冗談かと思った。だが、彼の顔は本気だった。離婚届まで用意され、すでに名前も書かれている。
「お前、最近俺のことを放置してるだろ。もううんざりなんだよ」
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=6BG6Bswjr2c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]